シンガポールへ行く際にこれを使ってみたかった。JAL Global WALLET、通称JGW。最近、いろいろな企業がやたらと発行しているプリペイド型のクレジットカードだ。
結論からいうと気軽に使うにはハードルが高すぎる気がする。
機能が多いのは結構だが、理解するのに時間がかかるのだ。今回使ってみてモヤモヤしたところを3点ほど記載しておく。なお本記事では使い方の説明はしないのであしからず。
1.初期設定
いきなりだが、個人的に最もハードルが高いと思うのがこれである。
いや、登録自体は別に難しい訳ではないが、IDとパスワードの乱立がすごいのだ。
JGW利用の前提条件となるJALマイレージバンク(JMB)を合わせると以下のパターンの番号を自己管理する必要がある。
名称 | 形式 | 備考 | |
---|---|---|---|
JMB | JMBお得意様番号 | 数字9桁 | ユーザID、JGWのログインでも使用 |
JMBパスワード | 数字6桁 | JMBサイトのログインに必要 | |
JMBWebパスワード | 英数字記号8~32文字 | 会員情報参照・変更、一部のJMB特典交換で必要 | |
JGW | ログインパスワード | 英数字記号8~32文字 | JGWサイトのログインに必要 |
取引パスコード | 数字5桁 | チャージ、両替に必要 | |
カード暗証番号 | 数字4桁 | ATM引き出し時、店頭ショッピング時に必要 | |
3Dセキュアパスワード | 半角英数字記号9~30文字 | ネットショッピングの本人認証で必要 |
公式HPを見ると以下のような記載がある。
JAL Global WALLETでは、お取引の種類によって複数の認証を組み合わせることで高水準のセキュリティ体制を保っています。
いわゆる多要素認証が必要なのはわかるのだが・・・ログインパスワードはJMBのシングルサインオンでいいし、取引パスワードもプッシュ通知で承認するなりワンタイムパスワードでいいような気がする。
しかも数字5桁って初めて見た。JMBパスワード6桁も珍しいし、JAL系はホント覚えるのがしんどい。
結局メモしてたら高水準のセキュリティもどこへやら。
2.コース選択
このカードには「ショッピング+ATMコース」と「ショッピング専用コース」という2つのコースがある。
お申し込みについて|JAL Global WALLET より抜粋
ATMを利用するか、クレジットカードチャージをするか二者択一になっている。
この2つが選択制になっている理由がよくわからない。
たぶん大人の事情でしかない気がする。
チャージでマイルを付与しろとは言わないが、ATMコースでもクレカチャージを開放してほしいところ。
3.自動両替
ショッピングの際に現地通貨が不足している場合、日本円を自動的に両替してくれるが、ATM出金時には自動両替は発動してくれない。
事前に必要な分を両替しておく必要があるのだ。
これは自分がちゃんと理解していなかっただけなのだが、ATMの前でちょっとハマってしまった。
まとめ
結局、使いこなせたとは言いがたいのだが、今回使ってみた限りでは「ふつうにクレジットカードを使う方がよい」というのが結論である。
もちろん「慣れ」の問題ではあるのだが、最初のハードルの高さがユーザを振るいにかけてしまっているような気がする。まさかリテラシーの高い層だけをターゲットにしている訳ではないだろう。
おそらくJAL側としてもまだ試行の色が強く、ユーザの反応を見ているのだろう。公式HPを見ても急いで作った感がすごいので、これから徐々に改善していくだろうという事で今後を期待したい。