2019年5月29日、ANAから国内線に新シートを導入するという発表があった。
パーソナルモニター付きの新シート導入により、さらに快適で充実した国内線の旅を提供します|プレスリリース|ANAグループ企業情報
2019年秋以降から順次導入する予定とのこと。座り心地は実際に座るまでわからないが、写真からわかる範囲の情報で気になる点をピックアップしておこう。
ニュースリリースから気になる点
どこの路線に入るのか?
ニュースリリースを見ると対象機材が記載されている。
国内線ボーイング777-200型機 8機、ボーイング787-8型機 11機
で、時刻表を見てこの2機種がどの路線に割り当てられているかざっと確認してみる。
羽田基準でみると・・・伊丹、新千歳、福岡、広島、松山、那覇あたり。
座席数で言うと約300~400座席あたりの機種なので、幹線もしくは中距離以上といったところだろう。いずれもJALと真っ向勝負している路線ばかりなので、当然といえば当然か。
前回のリニューアルは?
787-8は比較的新しいので最初のリニューアルだろう。777-200はもう少し古いと思うのだけど、何年ぶりのリニューアルなんだろうか、と気になったので探してみた。
ANA国内線サービスリニューアルについて|プレスリリース|企業情報|ANA
2012年のニュースリリースなので、だいたい7年くらいで交換ということになる。
10年くらいは使うのかと思ったら意外と早いものだ。もちろん戦略的に早めているのかもしれないが。
写真でチェック
写真については前述のANAのニュースリリースとトラベルWatchを参考にしている。特に注釈が無い限り出典元はニュースリリースである。
プレミアムクラス
色
真っ先に気になったのがこれ。
ANAの機内はブルーの統一感みたいなこだわりを感じていたのだが、あっさりやめてしまったのか。まぁパッと見の高級感で言えばこちらの方が上かもしれない。
電動リクライニングシート
これは順当進化だろう。今の引っ張るタイプは時代を感じてしまう。
タッチパネル式パーソナルモニター
モニタについては以前のエントリでも触れたのだが「やっぱりきたか」という感じ。
モニタはよいとして、今回の導入を機にシステム面で何か変化があるのかどうかは気になるポイントだ。
あとこれカメラは付いてるのだろうか?(プライバシーの観点から)
隣席との大型ディバイダー(仕切り)
これがプレミアムクラスで一番気になったポイント。
トラベルWatchの写真を見る限り隣の人の顔、思いっきり見えてますが・・・
ちょっと低いのでは?まさか上下に可動するのだろうか?
出典:https://travel.watch.impress.co.jp/img/trw/docs/1187/281/html/42_o.jpg.html
手元のPCやスマホが見えなければよいと思っているのだとしたらちょっと残念だ。知人同士で並ぶ場合を想定しているのかもしれないが、扇型にすれば問題ないはず。
そういう意味でもJALのファーストクラスは理想的な形状になっている。(ミラーにしなくてよいけど)
出典:ファーストクラス (機内・ラウンジ) - JAL国内線
小物置き場
出典:https://travel.watch.impress.co.jp/img/trw/docs/1187/281/html/14_o.jpg.html
ミニテーブルはスマホを置く想定なのだろうけど、隣席から見えそうなので結局は肘置き部分を使うと思う。
ANAは共用の肘掛け下にポケットがあるのがありがたくて、本とかタブレットをちょっと置くのに便利。
逆にJALのファーストクラスはポケットが無いので、乗った時に物足りない感がある。
メッシュポケット
新幹線だと当然のようにあるのだが、飛行機に意外と無いのがこれ。あってもゴムになってないとか。
冷たいペットボトルを持ち込むと水滴が気になるので、これはありがたい。
増席について
プレミアムクラスについては「席が取れない」という利用者の声を受けて、従来の21席(777-200型機)/12席(787-8型機)から28席(ともに)へ大幅に増やす。
これはマイル修行僧の影響に違いない(笑)。ジャニーズ風間くん効果も相当ありそうだし。
ただ一過性の需要に過ぎない気もしていて、個人的にはJALの3クラス制(ファーストクラス、クラスJ、普通席)のようにミドルクラスがあったほうが安定するのではないだろうか。
食事やサービスは不要だけどシートにはお金出してもよい普通席の利用者は多いと思う。
普通席
シート毎に柄が異なる
これは遊び心と捉えるべきだろうか。
たぶん、優先搭乗などで早めに搭乗しないと気付かないんじゃないかと。さらに降機時には目線が行かないし、せっかくのこだわりが「知る人ぞ知る」みたいになってしまうともったいない。
ブロック単位でデザインを分けて搭乗時、降機時の整理に利用するとかした方がよいと思うのだが。
カップホルダー
紙コップが取り出しやすいように穴の形状が変わったようだ。正直よくわからないポイントでもある。
これもメッシュポケットと同じなのだが、新幹線みたいに独立型にするのは難しいのだろうか。
普通席でテーブルを使う機会は限られていて、多くの乗客はドリンクのためだけに使用していると思う。
テーブルでPCを使うにしてもドリンクと両立できないっていう問題もあるし。
スターフライヤーのシートは両方対応できているので理想的なのだが、シートの厚みが結構違うから耐久性の問題なども絡むのかもしれない。
出典:https://www.starflyer.jp/inboard/seat/
メッシュポケット
これはプレミアムクラスと同様。
初期状態で十分な角度に倒れている
これはありがたい。
そもそも国内線の普通席でリクライニングを倒す人は少ない気がするのは、初期状態のおかげなのか、それともあまりに窮屈なので倒すのも忍びないという心理的な抑制がかかるのか。
逆に東海道新幹線は初期状態がほぼ直角なので、ほとんどの人がリクライニングを倒すことを半ば強要されているようなものだ。
後ろの人からすると目につきやすいので「椅子、倒して良いですか?」問題なんかが発生してしまう。
最初からリクライニングが要らない程度に倒れていればあまり問題にはならないのかもしれない。
まとめ
ANAからすれば「シートモニター付けました!」という点をアピールしたいと思うのだが、自分はあまり使わないので、細々したところが気になってしまった。
シートモニター以外の観点で見ると普通席に大幅な変化はないので、プレミアムクラスの方についつい目が行ってしまうが、他の機材やJALと比較すると一長一短というのが正直な感想だ。
結局は乗ってみないとわからないので、導入されるのを待つしかない。導入されてもリニューアルした機材に運よく当たるわけでもないので、体験できるのはいつになるやら。