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このままでは将来がないと言われる地銀には教育事業への道を

f:id:penchosan:20190614125211j:plain:w600 お題「最近気になったニュース」

ここ最近、地銀のニュースをよく見かけるのでちょっと取り上げてみよう。明るいニュースではないのでポジティブな方向になるように考えたい。

president.jp

政府がついに地方銀行の再編に本格的に乗り出す方針を表明した。地方銀行はこのままでは将来がないと言われ続けてきたにもかかわらず、自主的な統合や新規事業への展開ができず、「ゆでガエル」状態に陥っている。ここ数年、銀行の自主性を重んじてきた金融庁は方針を転換、積極的に再編を「指導」していくことになりそうだ。

将来がないと言われている理由は地銀の業績悪化。全国に地銀は100行以上あって半分以上が貸出などの本業で赤字になっているという現実がある。結構前から言われていることであり、人口減少という局面で手数料で儲けるという付加価値を生まないビジネスが長く続くはずがない。

じゃあ地銀はこれから何をすべきか?っていうのを考えてみる。

地銀の思い出

地銀のカルチャー

昔、地銀のシステムに携わっていたことがあり、銀行員と一緒に仕事をする機会があったので、断片的ではあるが中の雰囲気は理解しているつもりだ(一般の人が利用する営業店ではなくて、なんとかセンターと呼ばれるオフィスだが)。

縦社会、横並び、リスク回避

最も強く感じたのは縦社会かもしれない。上司の命令は絶対服従で、ある種の軍隊のようなカルチャーがあっり、ちょっと息苦しさは感じた。指示待ち型のタイプなら居心地がいいのかもしれないが、自分はハッキリ「銀行で仕事するのは無理だ」と悟った。

横並びっていうのは、「護送船団方式」とも呼ばれている。

日本で戦後維持されてきた銀行行政の考え方。信用秩序を維持するため、銀行の倒産防止を最重要とし、銀行間の競争を制限する保護行政である。「護送船団」という言葉は、船団を守りながら進む意味合いからきており、全体はもっとも速度の遅い船にあわせて進まなければならない。銀行の場合は、もっとも競争力の弱い金融機関を基準として各種規制を行った。しかし、1997年の早期是正措置の導入というルール型行政への転換を機に廃止された。
出典:護送船団方式 ─ 意味・解説 : 金融用語辞典

要は出る杭は打たれるっていうこと。この用語は金融機関同士の関係を表しているのだが、銀行内の組織や人間関係にも当てはまっていたように思う。

リスク回避はシステムの話にはなるのだが、ちょっとした改善の提案も受け入れられにくいという印象は強く残っている。波風立てないことが第一、そのためにはコストが掛かっても止む無しっていう。もちろん銀行のシステムは安定稼働が大前提なのは理解していて、リスクを気にするのは長所でもあると思うのだが、ちょっと保守的すぎる感は否めない。

あのドラマを思い出す

やっぱりこれ!

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出典:半沢直樹とは (ハンザワナオキとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

前述したカルチャーは地銀だけではなく、銀行全体が同じような感じらしい。このドラマを見て「あ、一緒じゃん」と思った人が相当数いたことだろう。

ここまで強烈にインパクトを与えたドラマはあまり見たことがないので、久しぶり見たくなってきた。


話が脱線したが、こういうカルチャーが「地方銀行はこのままでは将来がない」状況を生み出しているとも言えるわけだ。

地銀は教育事業で金融リテラシーの底上げを

地銀は地域住民の教育に注力したらよいのではないかと思う。

銀行が何でそんなことするんだと思うかもしれないが、そもそも本業で儲けが出ないのだからある程度は違う分野に手を出すしかない。生き残るためにどうこう考えても保守的な発想になりがちだし、もう船は沈んでいるだからさっさと違う船に乗ろうよという話。

以下に理由と案を記載していく。

1.RPAで今後人員はどんどん削減されていく

これはわりと記憶に新しいニュースだ。

this.kiji.is

三井住友フィナンシャルグループがITなどによる省力化技術を活用し、2017~19年度の中期経営計画の期間中に、ローン関連事務などの業務量を5千人弱分削減する見通しであることが22日、分かった。従来計画から千人弱分上振れする。
<中略>
業務量削減は定型的な仕事を自動化するロボティック・プロセス・オートメーションと呼ばれる技術の活用が中心だ。

ロボティック・プロセス・オートメーションっていうのが通称「RPA」と呼ばれており、都銀ではRPAを活用した人員削減が真っ盛り。地銀でも既に取り組んでいるところはあるので、業界全体としてはこの流れには抗えない。

RPAの使いどころは多々あるけれど、一般の人が営業店の窓口で行う口座開設のような業務で活用されている場合が多いようだ。つまり我々が銀行で目にしている窓口の人たちがRPAに仕事を奪われていくということになる。

この人たちの仕事は確かに単純作業かもしれないが、いろいろなお客さんと接しているから、教育という観点においてはそれなりの適性があるんじゃないかと思うのだ。

この人たちが何をするか?

2.地域住民へのキャッシュレス教育

今は都市部を中心にキャッシュレス決済の選択肢がどんどん増えていく一方、地方ではあまり普及が進んでいないというバランスの悪い状況だ。地方の観光地や商店で現金しか使えないからという理由でお金を落とさない人は外国人観光客を含めて一定数いるはず。自分もそうだ。

地方のキャッシュレス推進は地銀の役割にふさわしいと思うのだが、自分たちにメリットがないからあまり積極的でないのかもしれない。

ここで言っているのは、地銀独自の「なんとかPay」を作れと言っている訳ではなくて、単純に地域住民に対してキャッシュレスのハードルを下げる役割を担うということ。いわば地域のキャッシュレスエバンジェリストだ。営業店は困った人の駆け込み寺のようなコミュニティスペースとして利用すればよいし。

3.小中学生への金融リテラシー教育

これは文科省への要望かもしれないが・・・学校ってお金の使い方を全く教えてくれないのは結構問題だと思っている。

最近の「老後2000万円問題」がよい例だと思うが、普通に人生を生きていて資産形成などを考えるタイミングってあまりない訳で、気付いた時には「今さら言われても困るわ!」っていう状況になってしまう。一方で「老後のために貯金してます」と言っている若者もいたりして、この低金利で塩漬けにするってどうなのよと思ったり。

ダンスやプログラミングも結構だけど、人の寿命はまだ延びるわけだしこういう知識は必要なはず。

で、その教育を銀行員が担う。知識のない高齢者にハイリスクな投資信託を売るよりはるかに健全だし、長期的に見ればお金の動きが良くなると思うのだが。

まとめ

以上、部外者の妄想に過ぎないけど地銀は教育事業に進出してほしい話。 既存の事業を壊す覚悟ができれば新しい可能性が出てきそうだけど、あのカルチャーに長年漬かってしまうとどういう思考が出来上がるかは想像に難くない。最近では銀行でも副業が解禁されてきているので、あながち無茶苦茶な話でもないと思うし、個人レベルでは似たようなこと考えてる人もいるかもしれない。

「ゆでガエル」が最後には飛び跳ねて生き延びてくれますように。