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コウペンちゃん×西武から考える電車内のマナー。スマホの普及で変化したのは「距離感」

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毎日通勤・通学で電車を利用する人にとっては、なにかと気になる電車内のマナー。自分も学生のころからずっと利用しているが、やはり当時と比べると乗客の行動が変わってきたと感じている。もちろんきっかけは言うまでもなくスマホの普及によるものだ。

2019年5月27日から、西武鉄道がコウペンちゃんによるマナーアップPRを実施しており、いい機会なので取り上げてみる。きっかけを与えてくれてたコウペンちゃんに感謝しよう。

TOPの写真は西武新宿駅の正面改札前で撮ったもの。西武鉄道の各駅に掲示されているはずなので沿線の方は探してみては。

参考:「コウペンちゃん」によるマナーアップPRを開始します!

※ここから先、コウペンちゃんネタは一切ないのであしからず。

西武鉄道の取り組み

この手のマナーポスターは各社いろいろと工夫を凝らしているのだけど、西武は群を抜いているというか、とてもやりかたが上手いと思っている。以下のリンクにポスターの一覧があるので確認してみてほしい。

www.seiburailway.jp

実際にこのポスターはイギリスの「ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館」で展示されているようで、アートとしても評価されているということだ。

マナーポスターとは関係ないけど、ANAの機内安全ビデオも似たようなテイストになっている。外国人受けがいいのだろうけど、日本のイメージっていつまでもこんな感じなんだろうな。面白いけどね。

www.youtube.com

アンケートから見る迷惑行為の変化

さて本題に入ろう。まずはアンケートを確認してみた。

13年前の2005年と2018年の比較

日本民営鉄道協会(JR以外の私鉄が加盟している団体)が毎年マナーアンケートを取っている。2005年度と2018年度の迷惑行為ランキングを比較してみた。日本で初めて発売されたiPhone(iPhone 3G)の発売日は2008年なので、2005年はまだガラケー最盛期の頃だ。

なお一方にしかない項目を青字にしている。

順位 2005年度 2018年度
1位 座席の座り方 荷物の持ち方・置き方
2位 携帯電話の使用 騒々しい会話・はしゃぎまわり
3位 乗降時のマナーについて 座席の座り方
4位 ヘッドホンステレオの音漏れ 乗降時のマナー
5位 荷物の持ち方・置き方 ヘッドホンからの音もれ
6位 電車内で騒ぐ スマートフォン等の使い方
7位 女性の化粧 酔っ払った状態での乗車
8位 所構わず電車の床に座る 車内での化粧
9位 環境美化に努めない人が多い ゴミ・空き缶等の放置
10位 車内等での飲食 混雑した車内での飲食

参考:マナーアンケート | 日本民営鉄道協会より抜粋

全体的には似たような項目が並んでいるという印象だ。

ちなみに「床に座る」は2018年では11位に入っているので改善された訳ではないだろう。「酔っ払い」は昔の方が絶対数は多いような気もするが、お酒を飲まない人口が増加したことに比例して迷惑だと感じる割合が増えたのかもしれない。2018年の上位3つは外国人観光客の増加にも原因がありそうだ。

スマホが6位

ちょっと違和感を抱いたのがこれ。6位という順位もそうなのだが「使い方」っていう記載がどうも引っ掛かる。スマホに起因する行為は他の項目に分散されている気がするのだ。

スマホの普及による乗客の変化

スマホの使い方ではなく全体的な行動が変化したと思う点

  • 外を見ない人が増えた
    以前は窓側を向いていた人が多かった気がするが、最近は「向き」がバラバラ。
  • 片手を空けようとする人が増えた
    おそらくリュック利用者増加の原因はこれだろう。手持ち鞄でつり革を掴むと両手が塞がる。あとはつり革を掴んでいる方の腕に濡れた傘を掛けて、座っている人に雫をたらす人もこれ。
  • 視界が狭くなっている人が増えた
    これは言わずもがな。周りが見えていない。

総合的に言えば

「パーソナルスペース」を確保しようとした結果「距離感」がおかしくなっている。ということだ。

そう、自分がいつも気になっていたのはこの「距離感」だ。

距離感が気になる4つのケース

個人的に気になるポイントを図で書いてみた。矢印はスマホに夢中な人。

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ケース1 ドア脇で座席側を向いている

こういう人が増えてきたのは、ドア脇に座席との仕切り板ができたことがあげられる。かつては手すりしかなかったので、ドア脇に立っている人と座席の両端に座っている人と間でトラブルがよく起きていた。

仕切り板が出来て万時解決かと思いきや、そうでもない。このポジションでリュックを背負っている人が結構いるんだな。座席側を向いているので、ドアが開いても全く気づいてないのだ。

もうひとつは、端に座っている人からすると、上から覗かれているようで何だか気持ち悪いのだ。もちろん自分のスマホに夢中になっているだけで悪気はないと思うのだが、ちょっと落ち着かないので背を向けてほしいと思う。

で、ドア脇の人が背を向けた場合に次の問題が出てくる。

ケース2 ものすごく至近距離で向かい合ってくる

これは身長差があると発生しやすいかもしれない。とにかく「近い」のだ。もちろん混雑している状況なので仕方がない部分はあるのだが、外を見ない人が増えたことに起因して、ドアに対して横にもたれ掛かる人が増えている気がする。

こういう時は自分がリュックでなければ、ケース1のポジションに変えた方がよい場合もある。

ケース3

夜のラッシュ時の始発駅でよくみられる。最初は空いているのでドアに背を向けてスマホにのめり込む。だんだん混んできてその人の周辺だけスペースが出来てしまう。外側を向いてくれれば済むのだが周りが見えてない場合が多く、周りの人たちもなかなか距離を詰めづらいんだな。発車遅延の原因となっていることもしばしば。

ケース4

ケース3の類似バージョン。ドアが開かない方の人たちは後ろの状況を把握しずらいので、詰めるという行動がなかなか取れない。この事象自体は昔からあると思うのだが、やはりスマホのためのパーソナルスペースを死守するためにそれなりのディフェンスを張ってきているという傾向はあるように思う。混雑起因の遅延はこれが大きいような気がする。

対応案

問題ばっかり書いていても仕方がないので、何でもよいから案を出してみよう。もちろんITの視点で。特にケース3と4はダイヤ乱れの原因であり、鉄道会社からしても悩ましい問題だろう。

前提条件

  • 電車内でスマホをやめるというのは不可能
  • スマホとイヤホンの利用が多数派のため掲示やアナウンスでは効果が薄い

聴覚へのアピールが無理なら視覚へ訴えよう

アナウンスではいくら言っても無理だろう。たまに車掌さんが「駆け込み乗車おやめくださいっ!!」ってキレ気味でアナウンスして注目を浴びることもあるけど、あれもほとんどの乗客からすれば気持ちのよいものではないし。

一方でスマホ操作中は視界が狭くはなるけど、視覚そのものが奪われている訳ではない。周囲にそれなりの変化があれば気付くはず。

カメラで人の密度を分析する

最近、防犯目的で監視カメラを搭載している車両がある。あの映像データをリアルタイムで分析して車内のどこの位置が混んでいるか、余裕があるかを判断するのは不可能ではないと思う。

車両単位であれば山手線でも混雑度はわかる。(重量センサーで計算しているだけだと思うが) www.penchosan.com

この分析結果の情報を乗客に知らしめることができればいい訳だ。どうやって?

LED照明とドアガラス

これも最近では常識になりつつあるLED照明。フルカラーで調光できるものある。

例えば駅で停車中に、余裕がある位置の照明を赤色で点滅させるとか。車掌さんがよく言う「一歩中ほどへお詰めくださーい」の対象の人たちが気付けるように照明でアピールする。ちゃんと詰めてる場所はそのままの照明でよいので、自ずと目立つわけだ。「あれ?周りと違うぞ」と。

ドアガラスも一緒で、停車中に開いていない方のドアはガラスの色を変えるとか、鏡にするとか。透明のガラスに色を着けたり鏡に変えたり制御するっていうのは技術的には可能のようだ。これをカメラで分析した結果に応じて変化させればよい。

産総研:透明時の可視光透過率が70 %以上の調光ミラーを開発

Alexa対応の「スマート調光ガラス」が台湾で本格生産--数分で明るさを完全切り替え - CNET Japan

これらのメリットは誰か人が注意する訳ではなくて、システムが自動で判断するっていうのがポイント。人が「詰めてください」って言うとトラブルの種になりやすいけど、自動判断の結果なら逆に「なんとか解消しましょう」という集団心理が働いて自然に動くのではないだろうか。日本人の国民性を考えても適している気がする。

まとめ

スマホの普及で変化したのは「距離感」ということで書いてきた。技術の進化も楽しみではあるのだが、一方でマナーが気になってしまう原因は電車が混雑しているっていうことに尽きると思う。もう少し空いている車内であれば他人がしていることなどあまり気にならないだろうし。同じ時間に出勤し、同じ時期に休みと取るという慣習(もちろん学校や工場は除く)がもう少し見直されればよいのだが・・・

コウペンちゃんシリーズ本編

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