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携帯電話料金値下げの動きに思う総務省とドコモの関係。どこぞの親子にそっくりだと思う話

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最近なにかと話題の携帯電話料金に関するニュース。解約金やら割引金額にまで口を出してきている総務省はなんだか本質的なところがズレている気がしたので、どうしたらよいのかちょっと考えてみる。なお料金プランがどうこうという細かい話には踏み込まない。

これまでの経緯

簡単ではあるが経緯をまとめてみた。

年月日 内容
2018年8月21日 菅官房長官が携帯電話料金について「4割程度下げる余地はある」と発言
2018年10月31日 ドコモが2019年4~6月に通信料金2~4割引き下げると発表
2018年11月26日 総務省がモバイルサービス等の適正化に向けた緊急提言を発表、および意見を募集
2019年1月17日 緊急提言に対する意見募集の結果を公表。提言の内容に変更はなし
2019年4月15日 ドコモが新料金プランを発表
2019年5月10日 改正電気通信事業法が可決され分離プランが義務化
2019年6月18日 総務省がモバイル市場の競争促進に向けた制度整備(案)を発表
解約金は1000円、端末割引は2万円の上限を提言
携帯キャリアは料金プランの再設計を余儀なくされ混乱中

なお、総務省がいろいろと発表するのは「モバイル市場の競争環境に関する研究会」という定期的に実施されている会議体の結果を受けている。

この会議体の目的を見てみると以下の通り。

本研究会では、情報通信を取り巻く環境の変化を踏まえ、利用者利益の向上が図られるよう、モバイル市場における事業者間の公正競争を更に促進し、多様なサービスが低廉な料金で利用できる環境を整備するための方策について検討を行います。

これを踏まえると「4割程度値下げ」とか「分離プランを導入しろ」というのはまぁわかる。

今回の発表には違和感がある

6月18日に発表された制度整備案では、「解約金は1000円、端末割引は2万円が上限」という謎の具体的数値が盛り込まれている。解約金1000円にするぐらいなら撤廃でいいじゃないと突っ込みたくなるのはさておき、「何でそこまで細かいコト言ってくるの?」というのが率直な印象だ。目的が達成されるなら手段を選ばないという強行策に出ているようにも見える。

根本原因が置き去りになっていないか

値下げの議論ばかりが目に付くけれど、携帯電話に関わる料金が今のように不健全と言われるようになってしまってのはそれなりの理由があるはずで、その大元を取り除いてあげないと健全な方向に導けないんじゃないかと思っている。今は「値下げ」というワードがひとり歩きしている状況だ。

携帯電話の料金が高すぎる理由

これはいろいろと理由があると思うが、要はパケットという目に見えないよくわからない概念に対して「高くてもユーザが払ってくれるから」っていう考えが根底にあると思っている。携帯キャリアからすれば当然これはオイシイ話なのでいつまでもこの状況が続いてほしいと思っている。だから料金プランをどんどん複雑にしてユーザを思考停止状態に陥らせ動けないようにしておく。こんな状態が長らく続いてきたのだ。

幸いなことに近年では格安SIMと呼ばれるものが普及してきたので、パケットに対する価値というのは多少理解されつつある。同じギガなのになぜこんなに値段が違うんだと。

ただ、それに気が付いても複雑化された料金プランというハードルの前に、格安SIMとどっちがよいのか考えるチャンスすら奪われている場合もあるだろう。

ユーザにも携帯キャリアにも選択できる権利は残してほしい

今回の値下げが実現したところで、不要なオプション契約を盛られる状況は変わらないし、むしろ値下げ分をカバーするために増える可能性もある。つまり「値下げ」ありきで考えるとイタチごっごになる。それよりもユーザがどのキャリアと契約するのがお得かを自身で考えて選択できるような環境を整備する方に注力する方がよいと思う。根本的な部分を見直さないと意味がないのだ。

なので、総務省は枝葉の話に首を突っ込むよりも「料金プランをシンプルにしろ」という方針を出してほしい。

シンプルになった結果、ユーザが安い方を選択して格安SIMへ流出すれば、携帯キャリアも料金で追随するか付加価値を追求するかという選択ができる訳だ。ユーザは思考停止にならずに済むし、携帯キャリアは強行策に振り回されなくてよい。

子供の人生をすべて自分でコントロールしようとする親の教育に似てない?

今回のニュースを見てすぐに思い浮かべてしまったのがこれだった。

「良かれと思ってやっている」を振りかざし何でもかんでも自分の思い通りにしようとする親はよくいるが、子供が自分の意志で決断して行動するチャンスを奪っている場合がほとんどだ。規模こそ違えど、やってることは変わらないなぁと。個人的には、より多くの選択肢を用意して本人の意思を尊重するのが親の役割だと思っている。というよりも子供の頃まさにコントロール型の親に振り回されて、精神的に負荷を感じていたものだ。

まとめ

結局、総務省の行動はユーザにとっても携帯キャリアにとっても為になっていないように思う。もちろん短期的な目線で見ればユーザにとって値下げは歓迎かもしれないが、値段が高い理由を誰もが理解できるのであればそれでよし。理由もないのに高いなら自然とユーザは減っていくのだから。