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PayPay(ペイペイ)のランチタイム限定キャンペーン。事業者、店舗、利用者のうちメリットがあるのは誰か

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毎月のように実施されているキャッシュレス事業者のキャンペーン。もはや当初ほどのインパクトが無くなっている感は否めない。キャンペーンの火付け役であるPayPayは、7月8月にランチキャンペーンを実施するようだ。今回はこのキャンペーンについて考えてみたい。

時間を限定したキャンペーン

キャンペーンの概要

paypay.ne.jp

今回のキャンペーンは
対象の飲食店またはスーパーマーケットでランチタイム(11-14時)なら最大10%戻ってくる」というものだ。

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主な開催店舗を見てみるとちょっと物足りない感はあるのだが、8月からは「セブンイレブン」「ファミリーマート」「ローソン」などのコンビニも対象になることが発表されている。

8月のワクワクペイペイは最大20%が戻ってくる「PayPayランチ」第2弾 対象店舗が飲食店とスーパーマーケットに加え、コンビニへ拡大!

時間限定のキャンペーン

このキャンペーンを見て思ったのは「時間限定のキャンペーンって今まであったっけ?」ということだ。もちろんコンビニなどでは普通に実施されているのだが、キャッシュレス事業者のキャンペーンではあまり聞いたことがなかった。

時間を限定するにあたって、支払いに関しての注意事項がある。

お支払いの注意事項
・入店、ご注文時間に関わらず、PayPayによる決済が14時を過ぎた場合は対象外となります(配達飲食サービスをご利用で配達時間の遅延により14時を超えた場合を含みます。)。
・対象時間に該当するか否かは、日本標準時を基準に判断されます。
・上記にかかわらず、後払いが原則である店舗で先払いを強要した場合はキャンペーン対象外となります。

飲食店の場合、食券システムであれば話は別だが、多くの場合は食事の後に決済することになる。食事の提供時間や会計での待ち時間に影響されるので、利用者側でコントロールするのが難しいということだ。当然、キャンペーン目的で来た客がゴネてしまうということは想定済みなのだろう。

ピーク時に押し掛ける利用者が得をするシステム

ここでふと疑問が。都市部限定になってしまうかもしれないが、オフィス街にある飲食店でランチタイムはどういう状況になっているだろうか?ここにキャンペーン目的で来店する客が増えるとどうなるか?

立場ごとのメリットとデメリット

事業者(PayPay)
  • PayPayの利用者が増える(メリット)
店舗(飲食店)
  • 客が増えて売上が上がる(メリット???)
  • 決済に時間がかかる(デメリット)
  • オペレーションが回らなくなる(デメリット)
利用者
  • ポイント還元でお得(メリット)
  • 客が増えるので、通常以上に待たされる(デメリット)
  • 決済に時間がかかる(デメリット)

ここで重要なのは店舗の視点だ。普段からランチタイムでも余力のある店舗であれば、純粋に客が増えることはメリットだと思うが、前述したオフィス街の飲食店はどうか?普段からランチタイム(だけ)に客が集中していて12時代は行列が絶えないことも珍しくない。飲食店だけでなくコンビニでも同じような状況だ。このタイミングで客が増えてもオペレーションが回らなくだけなのではないだろうか。行列を見た客が他の店舗に逃げるという機会損失も無視できないのではないか。

ランチタイムを外した方がみんなハッピー

鉄道会社と飲食店

先日、こんな記事を書いた。

鉄道会社がオフピーク通勤に協力した乗客にポイントを付与するキャンペーンについて効果があるか?という内容の記事だ。

www.penchosan.com

この話と今回のランチタイムキャンペーンの話。根本的には同じ問題に繋がると思っている。みんな一斉に同じ行動を取るという日本人の習慣だ。ついでに言えば、鉄道会社は混雑を分散させようとしているのに対して、PayPayのランチキャンペーンは混雑のピークを助長させかねないのだ。鉄道会社に比べて対応が一歩遅れているように思える。

店舗側はそれを理解していて、ランチキャンペーンに参加していない可能性はある。なぜならPayPayの加盟店に対して、キャンペーン対象の店舗が少ない気がするから。PayPayが使える飲食店や居酒屋はもっとあるのに。

飲食店にもオフピーク推進を

前述のオフピーク通勤の記事ではダイナミックプライシング(需要と供給のバランスに応じて価格を変動させる仕組み)について軽く触れたが、理想的には飲食店でも導入した方がよいとは思う。とはいえダイナミックプライシングだけではPayPayが普及するわけではないので、PayPay側の視点を考えればポイント還元で「疑似的な」ダイナミックプライシングを実現するのはどうか。

例えば、以下のように飲食店側がPayPayのキャンペーン対象時間を選択できるようにする。当然ランチタイムに集客を増やしたい場合もあるだろうから、選択肢は残しておけばよい。

  • 11:00~14:00(3時間)
  • 11:00~12:00、13:30~15:30(1時間+2時間)

こんな対応ができれば、店舗側は客が分散して楽になり機会損失が減る、客は混雑を避けられるしPayPayを使うチャンスが増える、PayPay側は利用が増えて嬉しいとみんなハッピーになるかもしれない。

おまけに時間によって価格が変われば、企業の従業員は昼休みが12:00~13:00に縛られていることに不満を出すようになるだろう。こんな声が大きくなれば企業側も柔軟な対応をせざるを得なくなる。

あれ?こう考えると、PayPayというかキャッシュレス事業者ってもの凄いパワーを秘めているんじゃないの?

まとめ

キャッシュレス事業者によるポイントばら撒きの効果について自分は懐疑的ではあったのだが、使い方を工夫すれば世の中がスマートな方向に進む可能性があるということを今回のキャンペーンで認識した。おそらくPayPayを「普及させる」という事業者側の視点だけでは考え方が偏るのかもしれない。

今回の記事はたまたま、以前の記事と似てるなーと思って書いたのだが、ブログを書いていると記事どうしのつながりができてくるのが面白い。やはり考えをアウトプットしておくことは大事だということを実感した。