このブログのキャッシュレスカテゴリのエントリでたびたび触れていた、常時2%キャッシュバックされるKyash。2019年9月30日をもって2%のキャッシュバックが終了するというニュースが発表された。いつかこの時が訪れるのは誰しも認識していたはずだが、消費税導入のタイミングでやってきた。
2%のキャッシュバックを終了し、1%のポイントを付与する
何のこっちゃと思ってしまうが、まず、還元率2%から1%に下がるのは間違いない。
そして「キャッシュバック」が、即時での「ポイント付与」に変わる。
利用者側としては還元を受けるタイミングが改善されるのがメリット。キャッシュバックは実施に還元されるまである程度時間がかかる(Kyashの場合は月末に締めて翌月末あたりに還元される)が、ポイントであれば即時付与になる。
一方、事業者側はポイント化することによって資金繰りが改善される。キャッシュバックであれば翌月末に支出が発生するが、ポイントであれば利用者が実際にポイントを使うタイミングまでは支出を遅延させることができる。
1点注意すべきなのは、QUICPayの決済がポイント付与の対象外となっていること。つまり実店舗で日常的に使うのであればリアルカード一択になってしまうことだ。「Kyash + GooglePay + QUICPay」の利用者のうち一定数はこの機会に巣立っていくだろう。以下のエントリーに多くのアクセスがあったことを考えれば、それなりの利用者数が存在していたと思われるのだが、非常に残念だ。
マネーを大量に持っている事業者のみが生き残れるキャッシュレス業界
2019年9月時点で大きいキャンペーンを実施、もしくは予定しているのは以下のサービスだ。
- PayPay(ソフトバンクとヤフーの合弁会社)
- d払い(NTTドコモ)
- JCB
LINE Payやメルペイは体力が落ちているのか、増税前なので温存しているのかわからないが、9月はおとなしい。JCBが初参戦ではあるものの、いずれも大企業でありキャンペーン投資額もKyashの比ではない。
こうして考えれば、KyashやOrigami Payなどベンチャー発のサービスがどんなに良いサービスを提供しても資金力の前には太刀打ちできないような状況になっているのがよくわかる。純粋にサービスの質での競争している部分はごくわずかに過ぎない。各社がポイント還元戦争から少しずつ距離を置ているのは間違いではないだろう。
Kyashのこれから
個人的にKyashのサービスは気に入っている。複数のクレジットカードの切り替えが楽だし、アプリもシンプルで使いやすく洗練されているからだ。だから20%の嵐が猛威を振るっている最中はちょっと陰に隠れて、サービスのアップデートに注力してほしい気がする。いくら大手に資金力があってもこんな状況がいつまでも続くわけはないのだから。嵐が去ったらまた振り向かせてほしいと思う。